マスクワークショップ
空間に描く音楽
ニュートラルマスクからラーバルマスクへ
マスクの基礎と演技の基礎
■日程
2021年9月27日(月)~10月1日(金)
12:30~16:30
■場所
iRegoGarage
・東京都杉並区荻窪5-29-3初鹿野ビル2階
・JR・丸の内線「荻窪駅」南口から徒歩2分
■料金
受講 25,000円
オンライン視聴見学 10,000円

フランスのルコックスクールに入学すると、最初に受けることになる
「ニュートラルマスク」の授業。
近年ではその有用性が評価され、
RADA(Royal Academy of Dramatic Arts)などでも初年時のカリキュラムとして
取り入れられています。
ニュートラルマスクはパフォーマンスのためのマスクではなく、
トレーニングのために編み出された、非常に意図的なマスクです。
「ラーバルマスク」もまた、パフォーマンスのためのマスクではありません。
ラーバルとは幼虫・未発達のという意味で、それらはニュートラルマスクと
キャラクターマスクの間に位置する正体の知れないマスクです。
ダーウィンの進化論とはまったく違いー演技におけるキャラクターの進化を
辿るかのようなー生物の別な発達を辿ります。
・キャラクターとはどのように舞台上に現出するのか?
・どのように俳優の身体からそれが表出してくるのか。
そのために必要な身体とは何なのか?
マスクを付けることによって様々な疑問が生まれてきます。
・ルコックはなぜニュートラルマスクを開発したのか?
・そもそも人間の身体におけるニュートラルとは何か?
・なぜ必要なのか?
・マスクとは?演技をするためになぜマスクでのトレーニングが有用なのか?
これらの疑問に取り組んでいきます。
マスクを用いたトレーニングと俳優の演技訓練には、本質的な違いはありません。
マスクはキャラクターそのものであり、それをつけてもつけなくても、
肉体が行う表現はサイズの違いはありますが、本質的に変わらないからです。
むしろお互いに作用し合い、複雑に絡みあって、様々な理解や方法のある
演技を読み解く力強い方法としても、マスクは存在します。
それはパペットやダンス、私たちの日常も同じく、私たちを理解する上で
とても効果的なツールのひとつです。
このワークショップではそんな魅力的なマスクの技法を通して演技に必要な
身体を理解し、演技力の向上、舞台そのものあるいは空間の理解、
ノンキャラクターであるコーラスの仕組みやグループワークの効果を理解し、
その技術を習得していきます。
空間は、私たち舞台芸術家の大きなキャンバスであり、
私たちは私たちの身体という多種多様に変化するツールを用い、
そこにストーリーという音楽を描きます。
言葉を無視するのではありません。
言葉はその音楽を彩る詩です。
付けることによって顕になるあなた自身をみつめ、
演技をするために必要な身体と技術を、一緒に探っていきましょう。

■講師紹介 安本達也
舞台芸術家。大阪芸術大学出身。卒業後渡英、
East15 Physical Theatreコース卒業。
RADA Shakespeare Certificate取得。
帰国後はInternational Cantre for Theatre ArtsにてAssociate Directorとして舞台作品を制作
日本をはじめイラン、韓国、香港などで公演を行う。
Contact Improvisationについての造詣も深く、
各国でワークショップを開く。
舞台作品はパペットやマスク、ダンスなどストーリーにあった手法を用いる型にはまらないものであることが多い。
個人での映像作品の制作も多く、最近ではエドワード・ゴーリー
原作「胡乱な客」やオリジナルダンス作品「Intimacy」を発表。視覚によって与えられる経験が舞台において大きな役割をもつと
考え、ワークショップでは特に如何に効果的な身体を持つことが
できるのかを探究する。
