2022年7月3日~11日 安本達也ワークショップ
2022年7月3日(日)
シェイクスピア ワークショップ



良質なモノローグ(独白)はそれだけで、質の高い芝居を観るのと同じようにさまざまな経験をさせてくれます。
モノローグはキャラクターが今まさに直面している「思考の旅」とも言うことができます。
よく訓練された俳優は、そのことを知っているのです。
フランスの演出家、アリアーヌ・ムヌーシュキンは「空間を内包しないものは舞台ではない」と言っています。
良質なモノローグは、空間の広がりがあり、呼吸を操り、思考のプロセスを伝播させ、観客の経験を喚起します。
―耳に心地良いだけではなく、わたしたちの世界を根本から変えてしまうような、観る者の魂を揺さぶる力強いモノローグを操ることができたら―
良い俳優は、実に様々な技術を用いてそれを可能にします。
感情、呼吸やイメージ、音素の響きと種類、そして肉体。
これらをきちんと扱うことで、わたしたち舞台に立つ俳優の肉体は、モノローグそのものが持つ意味を超える強烈な力強さを湧き出だすのです。それが観客に伝わり、感情が創起され、そのキャラクターの思考を経験させていきます。
シェークスピアのモノローグにはドラマがあり、キャラクターの思考は右へ左へ上へ下へと様々な方向に旅し、わたしたちの感情を揺さぶります。
彼が生み出したモノローグだけが素晴らしいのでは決してないのですが、このワークショップでは世界中で愛される彼の作品を通して、魅力的な俳優術を身につけましょう。
「思考の旅」の果てに何があるのか。
わたしたちと一緒に、あなたのモノローグを、ひいてはあなた自身を今まで以上に魅力的にする旅に出てみませんか?
■日程 2022年7月3日(日) 9:00~16:00
■場所 iRegoGarage
・東京都杉並区荻窪5-29-3初鹿野ビル2階
・JR・丸の内線「荻窪駅」南口から徒歩2分
■定員 12名
2022年7月4日(月)・5日(火)・6日(水)
キャラクター フルマスク ワークショップ



みなさんはキャラクターを作る(見つける)時、どんなプロセスを辿りますか?
普段、演技する時「キャラクターと繋がりにくいなぁ」と感じたことはありますか?
演じるキャラクターを本当に知っている状態になるとはどういうことでしょうか?
キャラクターとは「ストーリーの中でその主観に基づいて行動する登場人物=人格」のことです。
キャラクターたちは往々にして既にそこに存在していることが多く、わたしたち俳優は彼らを、肉体を通して経験することで発見していきます。
今回のワークショップで使うマスクにはキャラクターがあります。
マスクなので既に存在するのは顔だけですが、それをつける者の身体によって具現化され、生き始めます。
ひとつのマスクはひとつの形を持っています。
ですが、ひとつのマスクのキャラクターは実はひとりではなく、無数に存在していたりするのです。
キャラクターマスクのトレーニングを行うことで、キャラクターの様々な発見方法を身につけることができます。
言葉からはなかなか見つけにくいキャラクターの多面性や可能性を発見することができるようになるでしょう。
マスクは「身体表現を明確化させてくれる」とても舞台的なツールなのです。
マスクをつけてキャラクターを探すトレーニングを行いながら、根源的で普遍的な舞台技法も同時に学んでいきます。
たった一枚のマスクから生み出される多様な可能性を、ぜひ一緒に探求していきましょう。
■日程 2022年7月4日(月) 5日(火) 6日(水)
9:00~16:00
■場所 iRegoGarage
・東京都杉並区荻窪5-29-3初鹿野ビル2階
・JR・丸の内線「荻窪駅」南口から徒歩2分
■定員 12名
2022年7月8日(金)~11日(月)
コメディア デラルテ ワークショップ



ヒューマンコメディとして名高いコメディアデラルテ(Comedia dell’arte)。
それはイタリアで発祥し、広くヨーロッパで広がった喜劇です。
舞台で演じられることもありましたが、その多くはストリートパフォーマンス(野外劇)であったとされています。
ストックキャラクターと呼ばれる「人格が基本的に固定された(ストーリーによって変化しない)どの物語でも同じ名前の存在」を用いた喜劇は、多くの芸能の基盤となるパフォーマンスになっています。日本の狂言とも共通点が多いので、日本人にも馴染みやすいと思います。
ストックキャラクターには様々な人格があります。
例えば印象的な長い鼻のカピターノというキャラクターは、いつも戦争での武勇伝を大仰に語りますが、とても小心者で少しのことでもビクビクしてしまいます。
ドットーレは博識でよく喋り、異性との会話が上手ですが、その言葉はあまり意味をなさず、よくわからない困った系おじいちゃんです。
中でも有名なアルレッキーノ(ハーレクイン)は曲芸ができ、極悪非道ではないものの、残忍さを持ち合わせる無邪気な子どものような存在で、ハムレット俳優ならぬアルレッキーノ俳優という呼び方が生まれるくらい特殊かつ技術の求められる、とても魅力的なキャラクターです。
コメディアデラルテのストーリーは基本的に口伝えや即興で生まれた為、その多くが失われてしまっており、今もな様々な人たちがその研究を進めています。
「職業俳優集団」として最初期の形態とも言われ、20世紀を代表する演出家たちが学びの対象にしていたりもする、このコメディアデラルテの中には、まさに舞台の根源ともいえるような、本質的な演劇の役割が息づいています。
この学術的にも興味深いジャンルに取り組むことは、第四の壁によって一旦離れてしまった「観客」と「俳優」、そして「ストーリー」の三つ巴の関係性を見直し、その更なる可能性を追求することになるでしょう。
最近はイマーシブシアターなど、今まで当たり前とされた演劇の関係性を積極的に見直し、別の形で再構築する動きが盛んになってきました。
だからこそ、このワークに取り組むことが多くのジャンルを横断する可能性を見出す力になると感じています。
現代海外の演劇学校では当たり前にカリキュラムに組み込まれているのも、そういった理由によるものでしょう。
そしてコメディアデラルテはマスクを用います。
このマスクを使ったワークをうまく機能させる為には様々な舞台の俳優技法に取り組む必要がある為、俳優トレーニングとしてもとても重要な役割を果たしています。
そんなたくさんの学びを内包するコメディアデラルテ。
この機会にたくさんの方にシェアしたいと思います。
ぜひ一緒に遊びましょう。
■日程 2022年7月8日(金)~11日(月)
9:00~16:00
■場所 iRegoGarage
・東京都杉並区荻窪5-29-3初鹿野ビル2階
・JR・丸の内線「荻窪駅」南口から徒歩2分
■定員 12名

■講師紹介 安本達也
舞台芸術家。大阪芸術大学出身。卒業後渡英、
East15 Physical Theatreコース卒業。RADA Shakespeare Certificate取得。
帰国後はInternational Centre for Theatre ArtsにてAssociate Directorと
して舞台作品を制作。日本をはじめイラン、韓国、香港などで公演を行う。
Contact Improvisationについての造詣も深く、各国でワークショップを開く。
舞台作品は、パペットやマスク、ダンスなどストーリーにあった手法を用いた型にはまらないものであることが多い。
個人での映像作品の制作も多く、最近ではエドワード・ゴーリー原作「胡乱な客」やオリジナルダンス作品「Intimacy」を発表。
視覚によって与えられる経験が舞台において大きな役割をもつと考え、
ワークショップでは特に如何に効果的な身体を持つことができるのかを探究する。
■受講費
申込種別で受講費が変わります。複数受講可能です。
連続受講割(※)に関しては下記をご参照下さい。
①シェイクスピア WS 参加 10000円
②フルマスク WS 連続参加 30000円 (割引制度あり)
③コメディアデラルテ WS 連続参加 40000円 (割引制度あり)
④シェイクスピア WS 動画視聴 10000円
⑤フルマスク WS 動画視聴 10000円
⑥コメディアデラルテ WS 動画視聴 10000円
※今年、iRegoGarageで行われた安本達也連続ワークショップ(ニュートラルマスク/アンサンブル&ラーバルマスク/オブジェクトマニュピレーション&パペット)に参加した方は②と③のマスクを扱うワークショップは各5000円引きで参加可能です(申込のメモに参加したワークショップをご記入下さい)
※①~③の参加者は動画視聴を申し込まなくても、参加したWSの動画は共有されます。動画による復習が可能なので②・③のWSは仕事などによる遅刻・早退・欠席も可能です。
■対象 舞台表現者
■申込について
下記【申込はこちらから】をクリックして
お申込みください。
■〆切
先着順になります。
定員になり次第終了します。